技能講習修了証の再発行|どこへ頼むかの調べ方
目次
「修了証を無くした」と言われて、どこに頼めばよいのか分からない。教習所の名前も覚えていないし、いつ受けたかもはっきりしない。明日から現場に入れないという話になって、そこで慌てる。
この記事では、技能講習修了証の再発行を、頼む先の決め方・要るもの・かかる時間の3つに分けて整理します。読み終えたときに、自社で無くしたときの手順を1枚にできる状態を目指します。
結論:再発行は、交付した登録教習機関に頼む
技能講習修了証の再発行とは、無くしたり傷んだりした修了証を、もう一度交付してもらう手続きのことです。頼む先は、その修了証を交付した登録教習機関になります。
労働基準監督署や、労働局が発行するものではありません。受けた教習所そのものが窓口です。ここを取り違えると、あちこちに電話して時間を使うことになります。
ポイントはここです。どこで受けたかが分からないと、手続きが始まりません。だからこそ、修了証の写しに交付した機関の名称と番号が残っているかが効いてきます。
会社に写しがあれば、機関の名称も番号も分かります。写しが無い場合は、本人の記憶と、受講したときの費用の支払いの記録をたどることになります。
受けた教習所が分からないときの調べ方
写しも記憶も無い場合、手がかりは3つあります。
1つ目は、社内の支払いの記録です。会社が費用を負担していれば、経理に支払いの記録が残っています。教習所の名前が請求書に書かれています。
2つ目は、入場のときに出した書類です。元請に提出した資格者の一覧や写しが、現場側に残っていることがあります。
3つ目は、本人の記憶と地域からの絞り込みです。技能講習を行う登録教習機関は、都道府県ごとに一覧が公表されています。当時住んでいた地域や、通っていた場所から絞り込めることがあります。
それでも分からない場合は、労働局に相談するという手があります。登録教習機関の一覧を持っているため、絞り込みの助けになることがあります。ただし、修了の事実そのものを労働局が証明してくれるわけではありません。
探すときのコツは、資格の名前から機関を絞ることです。フォークリフトの技能講習を行っている機関は、その地域に何か所もありません。本人に「駅から歩いて行った」「送迎バスがあった」といった記憶があれば、さらに絞れます。
大きな教習機関では、複数の都道府県に教習所を持っていることがあります。受けた場所が違っても、法人としては同じという場合があるので、近いところに電話して聞いてみると分かることがあります。
申請に要るもの
要るものは機関によって違いますが、共通して求められることが多いのは次のものです。
本人の確認ができるもの。運転免許証などの写しが求められます。
修了証の番号か、受講した年月日。分からない場合は、氏名と生年月日で探してもらう形になります。同姓同名があると時間がかかります。
写真。カード型で再発行される場合、写真が要ることがあります。サイズの指定があるので、先に確かめます。
手数料。金額は機関によって違います。振込や現金書留など、支払いの方法も指定されます。
氏名が変わっている場合は、変更の手続きが先に要ることがあります。戸籍の記載事項証明書など、変更が分かる書類を求められる形です。結婚などで氏名が変わったときに手続きしていない人は、ここで止まります。
かかる時間を見込んでおく
再発行には時間がかかります。その日に受け取れることはほとんどありません。
窓口に直接行ける機関なら、数日から2週間ほどで受け取れることがあります。郵送で申請する場合は、書類の往復の時間が加わります。繁忙期は1か月近くかかることもあります。
現場に入れるかどうかは、この時間に左右されます。修了証が無い状態でその業務に就かせることはできないため、再発行が届くまでは別の作業に回すことになります。配置を組む側にも早く伝えます。
繁忙期がいつかは、資格によって変わります。年度の初めや、現場が動き出す時期は申請が集まります。急ぐなら、まず電話で今の混み具合を聞くのがいちばん確実です。
急ぐ場合、修了の事実を証明する書面を先に出してもらえる機関があります。取り扱いは機関によって違うので、電話で聞くときに合わせて確かめます。
無くさない形にする
再発行の手続きは、時間も費用もかかります。無くさない形にしておくほうが、結果として早く済みます。
1つ目は、原本を本人が財布に入れて持つことです。カード型のものは、免許証と同じ場所に入れておけば紛失しにくくなります。
2つ目は、会社が写しを持つことです。番号と交付した機関が読める形で残しておけば、無くしてもすぐ手続きに入れます。
3つ目は、写しを2か所に置くことです。紙のつづりと、権限を絞ったデータの両方にしておくと、片方が無くなっても残ります。
4つ目は、入社のときに写しを取る運用にすることです。後から集めようとすると、持ってきてもらうまでに何度も声をかけることになります。
傷んだとき、汚れたときも同じ手続き
無くした場合だけでなく、文字が読めなくなった、割れた、写真が剥がれたという場合も再発行の対象になります。
現場で確認を求められたときに読めないと、持っていないのと同じ扱いになることがあります。財布の中で曲がって文字が消えかけているという状態は珍しくありません。
年に1回、一覧表の更新と合わせて、修了証の状態を見る機会を作っておくと気づけます。保有資格の一覧を更新するときに、原本を見せてもらう形にしておけば、同じ手間で済みます。
傷んだ修了証は、再発行の申請のときに返すよう求められることがあります。無くした場合とは要るものが変わるので、電話で聞くときに状態を伝えます。
最初の電話で聞くこと
機関に電話をかけるとき、聞く内容を決めておくと1回で済みます。聞くのは6つです。
再発行を受け付けているか。番号や受講日が分からなくても探してもらえるか。要る書類は何か。写真は要るか、サイズは何か。手数料はいくらで、どう支払うか。受け取りまでどれくらいか。
このうち、いちばん先に聞くのは番号が分からなくても探してもらえるかです。ここで「番号が無いと難しい」と言われたら、社内の写しを探す作業に戻ることになります。
電話の内容は、その場で1枚にメモします。同じことを2回聞かなくて済むようにしておくと、次に誰かが無くしたときにもそのまま使えます。
機関によっては、申請の様式をウェブサイトに置いています。電話の前に見ておくと、聞くことが減ります。
社内の手順を1枚にする
無くしたという申し出は、いつも急に来ます。手順が決まっていれば、その場で動けます。
書いておくのは4つです。誰に報告するか、会社の写しをどこから探すか、機関に何を聞くか、届くまでの配置をどうするか。
このうち4つ目が抜けている会社が多く、結果として「資格が無いまま現場に出す」か「その人を休ませる」かの二択になります。代わりに任せられる作業をあらかじめ決めておくと、どちらも避けられます。
紙は、資格の一覧表と同じつづりに入れておきます。探しに行く先が1つになると、慌てているときでも回ります。
費用と時間を誰が負担するか
再発行には手数料と時間がかかります。誰が負担するかを決めていない会社が多く、そのつど揉めます。
考え方は2つに分かれます。業務に必要な資格であり、会社の指示で取らせたものだから会社が負担するという考え方。本人の持ち物を本人が無くしたのだから本人が負担するという考え方。どちらも成り立ちます。
実務でよく取られているのは、手数料は本人、受け取りに行く時間は業務扱いという折衷の形です。窓口が遠い場合、時間のほうが大きくなることもあります。
大事なのは、決めてあることです。決まっていないと、無くしたことを言い出しにくくなります。言い出しにくいと、修了証が無いまま現場に出るという、いちばん避けたい形になります。
この扱いは、就業規則や社内の取り決めに1行書いておくと、そのつど判断しなくて済みます。
まとめ
技能講習修了証の再発行は、交付した登録教習機関に頼みます。労働基準監督署や労働局が発行するものではありません。
頼む先が分からないと手続きが始まりません。会社に写しがあれば、機関の名称も番号も分かります。写しが無い場合は、社内の支払いの記録、元請に出した書類、地域からの絞り込みで探します。
申請には、本人の確認ができるもの、番号か受講の年月日、写真、手数料が要ることが多くあります。氏名が変わっている場合は、先に変更の手続きが要ることがあります。
受け取りまでには数日から1か月ほどかかります。届くまではその業務に就かせられないため、配置を組む側にも早く伝えます。要るものと手数料は機関によって違うので、最初の電話で確かめるのが確実です。
実際に使える様式が必要な方へ
保有資格の一覧表のExcelの様式が、点検板のテンプレートのページにあります。番号と交付した機関の列があるので、無くしたときにそのまま使えます。
この様式をひらくよくある質問
Q. 再発行の申請は、会社が代わりに行えますか。 A. 本人が行うのが基本ですが、会社が書類を用意して送る形を認めている機関もあります。取り扱いが機関によって違うため、最初の電話で確かめます。いずれにしても本人の確認ができるものが要ります。
Q. 教習所が廃止されている場合はどうしますか。 A. 業務を引き継いだ機関があれば、そちらが窓口になることがあります。分からない場合は、その都道府県の労働局に相談すると、引き継ぎ先を教えてもらえることがあります。
Q. 再発行を待つあいだ、現場に入れますか。 A. 就業制限のかかる業務に、修了証を携帯せずに就かせることはできません。その業務から外し、別の作業に回すことになります。修了の事実を証明する書面を先に出してもらえる機関もあるので、確かめてみます。
Q. 手数料はいくらくらいですか。 A. 機関によって違います。数千円のことが多いようですが、金額と支払いの方法は必ず申請の前に確かめます。会社が負担するかどうかも、社内で先に決めておくと手続きが止まりません。
Q. 複数の資格が1枚にまとまっている修了証を無くした場合は。 A. その1枚に載っている資格がまとめて分からなくなります。交付した機関が同じであれば1回の手続きで済みますが、違う機関のものが混ざっている場合はそれぞれに申請します。写しがあると、どれが載っていたかを確かめられます。
Q. 無くしたことを労働基準監督署に届け出る必要はありますか。 A. 紛失そのものを届け出る決まりは置かれていません。再発行の手続きを進めることになります。ただし、資格の無い状態でその業務に就かせていた場合は別の問題になります。
Q. 再発行された修了証の番号は、前と同じですか。 A. 機関の扱いによって変わります。番号が変わる場合、社内の一覧表も書き換える必要があります。受け取ったその日に、写しを取り直して一覧を更新する形にしておきます。
Q. 退職した人から再発行の相談を受けた場合は。 A. 修了証は本人のものなので、退職後も本人が手続きできます。会社に写しが残っていれば、番号と機関を伝えてあげることはできます。個人情報にあたるため、本人からの依頼であることを確かめてから渡します。
Q. 修了証の紛失が続く人には、どう対応すればよいですか。 A. 責める前に、持ち方を見直すほうが早く収まります。財布に入れると曲がる、作業着のポケットだと落とす、といった事情があります。ラミネートした写しを現場用に持たせ、原本は自宅に置く形にしている会社もあります。携帯が求められる場面では原本が要るため、扱いは所轄の労働基準監督署に確かめます。
Q. 再発行を待つあいだに、現場から資格の確認を求められたら。 A. 会社に写しがあれば、状況を説明したうえで写しを見せる形になります。ただし、写しで入場を認めるかどうかは現場の判断です。再発行の申請中であることが分かる控えがあれば、あわせて示します。