マニフェスト交付等状況報告書|6月末までに
目次
産業廃棄物を委託しているだけなのに、年に1回、都道府県へ報告書を出さなければならないと知る。マニフェストは処理業者から返ってきているし、ファイルにも綴じている。そこから何をどう集計すればよいのかで手が止まります。
この記事では、マニフェスト交付等状況報告書を、誰が出すか・何を書くか・集計のしかたの3つに分けて整理します。読み終えたときに、自社の1枚を作れる状態を目指します。
結論:マニフェストを交付した事業者が、毎年度出す
マニフェスト交付等状況報告書とは、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付した事業者が、前の年度の交付の状況をまとめて提出する報告書のことです。廃棄物の処理及び清掃に関する法律にもとづくものです。
出すのは、マニフェストを交付した排出事業者です。処理業者ではありません。廃棄物を出して委託した側が出します。
ポイントはここです。提出の期限は、毎年6月30日とされています。対象になるのは、前年度(4月1日から3月31日まで)に交付したマニフェストです。
期限が年に1回しか来ないため、忘れると1年気づきません。期限の管理表に入れておくのが確実です。
電子マニフェストは報告が要らない
紙のマニフェストを交付した場合は報告が要りますが、電子マニフェストを使っている場合は、この報告が不要とされています。
情報処理センターが、加入者に代わって都道府県などへ報告する仕組みになっているためです。
両方を使っている会社では、紙で交付した分だけを報告します。全部が電子なら報告は要りません。
電子に切り替えると、この報告の作業が消えます。年に1回の集計が負担になっている会社では、切り替えを検討する理由になります。
なお、特別管理産業廃棄物のうち一定のものでは、電子マニフェストの使用が義務とされている場合があります。自社が該当するかを確かめます。
何を書くか
様式は自治体が定めています。書く内容はおおむね共通しています。
事業場の名称と所在地。事業者の氏名または名称。産業廃棄物の種類ごとの、交付枚数、排出量、運搬先、処分の方法。
種類ごと・運搬先ごとに行が分かれます。同じ種類でも、運搬先が違えば別の行になります。ここが集計でいちばん手間のかかるところです。
排出量の単位は、様式の指定に合わせます。トンで書くのか、立方メートルで書くのか。マニフェストに書いた単位とそろえるのが基本です。
事業場ごとに提出するのが原則です。複数の事業場がある会社は、事業場ごとに集計します。
集計のしかた
年度末にまとめて集計しようとすると、1年分のマニフェストをめくることになります。月ごとに集計しておくと、6月の作業がほとんど要らなくなります。
集計の単位は、種類 × 運搬先 × 処分方法です。この3つでグループを作り、枚数と量を足します。
表計算ソフトで、マニフェストを1枚1行で記録する台帳を作っておくと、そのまま集計できます。列は、交付の年月日、マニフェストの番号、種類、量、運搬業者、処分業者、処分の方法、返送の確認。
この台帳は、帳簿の備え付けの義務にも使えます。報告のためだけに作るのではなく、日々の管理の台帳として持つと、二度手間になりません。
返送されたマニフェストの確認と同じ作業の中で、台帳に1行足す形にしておくと続きます。
出し先と出し方
提出先は、事業場のある都道府県知事または政令市長です。事業場ごとに出すため、複数の都道府県にまたがる会社は、それぞれに出します。
出し方は、窓口への持参、郵送、電子申請が用意されていることがあります。自治体によって様式も出し方も違うため、その自治体の案内で確かめます。
控えは残します。受付の印がある控えを、帳簿と同じつづりに入れておくと、翌年の作業のときに前年の内容を参照できます。
前年の報告書を見ながら作ると、種類の書き方や単位がそろいます。年ごとに書き方が変わると、後から比べられなくなります。
出し忘れたときと、出す義務の確かめ方
期限を過ぎたことに気づいたら、速やかに提出します。出さないままにしておくより、遅れて出すほうが安全です。
そもそも自社に義務があるかどうかは、マニフェストを交付したかどうかで決まります。産業廃棄物を出していても、交付していなければ報告の対象になりません。
交付していないのに廃棄物を委託している場合、マニフェストの交付そのものが漏れている可能性があります。報告の前に、そちらを確かめます。
自社が事業者として交付する義務があるかは、委託の形によります。判断に迷う場合は、都道府県や政令市の廃棄物の窓口に確かめるのが確実です。
集計を楽にする台帳の作り
報告書のための集計を、年に1回まとめてやると時間がかかります。日々の台帳の形を工夫すると、集計がほとんど要らなくなります。
台帳の列は8つで足ります。交付の年月日、マニフェストの番号、廃棄物の種類、量、運搬業者、処分業者、処分の方法、返送の確認。
この形にしておくと、報告書に必要な集計は、種類・運搬先・処分方法でグループを作って足すだけになります。表計算ソフトの集計の機能で数分です。
種類の書き方は、報告書の様式に合わせます。社内の呼び名で書いていると、集計のときに置き換える作業が発生します。最初から様式の言葉で書くのが要点です。
量の単位もそろえます。同じ種類なのに、トンと立方メートルが混ざっていると足せません。単位の列を作るのではなく、単位を1つに決めて換算しておくほうが後が楽になります。
報告書を出したあとに見ること
提出して終わりにせず、出した内容を見ておくと、次の年の準備が楽になります。
1つ目は、量の増減です。前年と比べて大きく増えているものがあれば、作業の形が変わった可能性があります。減らせるものかどうかを考える材料になります。
2つ目は、委託先の偏りです。同じ種類を複数の業者に出しているなら、まとめられないかを見ます。
3つ目は、種類の書き方です。前年と違う言葉で書いていると、比べられません。次の年からそろえます。
4つ目は、集計にかかった時間です。時間がかかったなら、台帳の形を直す余地があります。
この4つは、報告の義務とは別の話です。ただし、年に1回まとめて数字を見る機会は他にありません。廃棄物の費用を見直すきっかけにもなります。
電子と紙が混ざるときの数え方
紙と電子を併用している場合、報告するのは紙の分だけです。ただし、集計のときに混ざりやすくなります。
分け方は単純で、台帳に「紙/電子」の列を1つ足すことです。交付のときに印を付ければ、集計のときに紙の分だけを抜き出せます。
年度の途中で電子に切り替えた場合、その年度は両方が混ざります。切り替えた日を記録しておくと、後から確かめられます。
電子に完全に切り替えた翌年度からは、報告が要らなくなります。要らなくなったことを社内で共有しておかないと、翌年も集計の作業をしてしまいます。
逆に、電子から紙に戻した場合は、報告が必要になります。制度が変わったわけではなく、自社の運用で要否が変わるという形です。
まとめ
マニフェスト交付等状況報告書は、紙のマニフェストを交付した排出事業者が、前年度の交付の状況をまとめて提出するものです。期限は毎年6月30日とされています。
電子マニフェストを使っている分は報告が不要です。情報処理センターが代わりに報告する仕組みになっています。両方を使っている会社は、紙の分だけを報告します。
書くのは、種類ごと・運搬先ごとの交付枚数、排出量、運搬先、処分の方法です。種類 × 運搬先 × 処分方法でグループを作って集計します。
月ごとに台帳へ1行ずつ足しておくと、6月の作業がほとんど要らなくなります。台帳は帳簿の備え付けにも使えます。様式と提出先は自治体によって違うため、その自治体の案内で確かめます。
よくある質問
Q. 報告書を出さないとどうなりますか。 A. 提出が求められている書類なので、出していないことは指摘の対象になります。罰則が定められている場合もあります。期限を過ぎたことに気づいたら、速やかに提出します。
Q. 交付したマニフェストが0枚の年度も報告しますか。 A. 交付していなければ報告の対象にならないのが基本ですが、自治体によって扱いの案内が異なることがあります。その年度に一度も出していない場合は、窓口に確かめます。
Q. 事業場が複数ある場合、まとめて出せますか。 A. 事業場ごとに提出するのが原則です。同じ都道府県内の複数の事業場について、まとめて出せる扱いを設けている自治体もあります。案内で確かめます。
Q. 建設工事の場合、誰が報告しますか。 A. 建設工事に伴って生ずる廃棄物については、元請業者が排出事業者となる形が定められています。マニフェストを交付するのも元請になるため、報告も元請が行います。
Q. 電子マニフェストに切り替えると、いつから報告が不要になりますか。 A. 電子で交付した分については報告が不要になります。切り替えた年度は、紙で交付した分だけを報告することになります。年度の途中で切り替えると、両方が混ざります。
Q. 排出量が分からない場合はどうしますか。 A. マニフェストに記載した量を集計します。記載が漏れている場合は、処理業者に確かめます。交付の時点で量を書いておくことが、報告の作業を軽くします。
Q. 報告書の控えは何年残しますか。 A. 控えそのものの保存年数が定められているわけではありませんが、帳簿が5年保存とされているため、それに合わせて残している会社が多くあります。前年の内容を参照するためにも役立ちます。
Q. 様式はどこで手に入りますか。 A. 提出先の都道府県や政令市が公開しています。表計算ソフトの様式を配布しているところが多くあります。毎年更新されることがあるので、その年度のものを使います。
Q. 台帳は紙とデータのどちらがよいですか。 A. 集計することを考えると、表計算ソフトのほうが早く済みます。紙で運用する場合は、月ごとに集計の行を作っておくと、年度末の作業が軽くなります。
Q. 現場ごとに台帳を分けると、報告のときに困りますか。 A. 事業場ごとに提出するので、事業場の単位で集められる形にしておきます。現場ごとに分けている場合は、事業場ごとにまとめる作業が1つ増えます。
Q. 報告の対象になる年度の途中で、事業場が増えた場合は。 A. 新しい事業場について、その年度に交付した分を報告します。事業場ごとに提出するため、増えた分は別に作ります。
Q. 提出した内容に誤りが見つかったら。 A. 提出先に連絡して、訂正の方法を確かめます。気づいた時点で申し出るほうが安全です。次の年にまとめて直す形は取れません。
Q. 報告書の提出を、処理業者に頼めますか。 A. 報告の義務は排出事業者にあります。業者から資料をもらうことはできますが、提出は自社で行います。
Q. 産業廃棄物を出していない年度でも、何か出しますか。 A. マニフェストを交付していなければ、報告の対象になりません。ただし、自治体によって案内が異なることがあるため、一度も交付していない年度は窓口に確かめます。
Q. 報告書の提出は電子申請でできますか。 A. 電子で受け付けている自治体があります。窓口の案内で確かめます。電子で出す場合も、控えを手元に残しておきます。
Q. 複数の事業場をまとめて1枚で出せますか。 A. 事業場ごとが原則です。同じ自治体内の複数の事業場についてまとめられる扱いを設けているところもあるため、案内で確かめます。
Q. 廃棄物の量を減らすと、報告も楽になりますか。 A. 行が減るので集計は楽になります。ただし、目的は報告ではなく処理の費用と環境への負荷です。年に1回数字を見る機会として使うと、減らす余地が見つかることがあります。