勤怠と労務解説2026.03.20 公開KK-34

有給休暇の付与日数|週の日数と勤続年数の表

目次

パートの人から「私にも有給はありますか」と聞かれた。正社員の日数は分かるけれど、週3日勤務の人がどうなるのかが出てこない。調べると表が出てくるものの、自社の誰がどの行に当たるのかで手が止まります。

この記事では、有給休暇の付与日数を、いつ発生するか・何日発生するか・数え方の3つに分けて整理します。読み終えたときに、自社の全員について日数を出せる状態を目指します。

管理簿の作り方から確かめたい方は、こちらを読むと早いです。→ 年次有給休暇管理簿

結論:6か月・8割・週の日数の3つで決まる

有給休暇の付与日数とは、年次有給休暇として労働者に与える日数のことです。労働基準法にもとづくもので、条件を満たせば自動的に発生します。会社が与えるかどうかを決めるものではありません。

発生の条件は2つとされています。雇入れの日から6か月続けて勤務していることと、全労働日の8割以上出勤していることです。この2つを満たすと、最初の付与が起こります。

ポイントはここです。日数は、週の所定労働日数と勤続年数の2つで決まります。正社員かパートかという区分で決まるわけではありません。週5日働くパートの人は、正社員と同じ日数になります。

3つで決まる6か月雇入れから続けて勤務8割全労働日の出勤率週の日数日数と時間の両方を見る
6か月・8割・週の日数という3つの条件を並べた層の図

ここを取り違えると、パートの人に有給が無いものとして扱ってしまいます。呼び方ではなく、働いている日数で見るのが要点です。

週5日以上の人の日数

週の所定労働日数が5日以上、または週の所定労働時間が30時間以上の人は、同じ表になります。

6か月で10日。1年6か月で11日。2年6か月で12日。3年6か月で14日。4年6か月で16日。5年6か月で18日。6年6か月以上で20日。

週5日以上の人の日数勤続日数6か月10日1年6か月11日3年6か月14日6年6か月以上20日
勤続年数ごとの付与日数を並べた表

6年6か月で20日に達したあとは、それ以上は増えません。毎年20日が発生する形になります。

増え方が一定でないところに注意が要ります。2年6か月までは1日ずつ、そこからは2日ずつ増えます。表を見ずに計算しようとすると、ここで間違えます。

週4日以下の人の日数

週の所定労働日数が4日以下で、かつ週の所定労働時間が30時間未満の人は、比例して付与されます。

週4日の人は、6か月で7日から始まり、6年6か月以上で15日。 週3日の人は、6か月で5日から始まり、6年6か月以上で11日。 週2日の人は、6か月で3日から始まり、6年6か月以上で7日。 週1日の人は、6か月で1日から始まり、6年6か月以上で3日。

週4日以下の人の日数週の日数6か月 → 6年6か月週4日7日 → 15日週3日5日 → 11日週2日3日 → 7日週1日1日 → 3日
週4日・3日・2日・1日の人の付与日数を並べた表

週4日でも、所定労働時間が30時間以上なら通常の日数になります。日数と時間の両方を見る必要があります。「週4日だから7日」と決めつけず、1日の所定労働時間も確かめます。

所定労働日数が決まっていない働き方の場合は、過去の実績から日数を見る形が案内されています。シフト制で毎月変わる人がいる会社は、ここの扱いを先に決めておきます。

8割の出勤をどう数えるか

8割の出勤は、全労働日のうち出勤した日の割合で見ます。分母と分子の両方に決まりがあります。

分母になる全労働日からは、所定の休日が外れます。会社の都合による休業の日なども、扱いが定められています。

分子では、出勤したものとして扱う日があります。業務上の負傷や疾病で療養のために休んだ期間、産前産後の休業、育児休業、介護休業、そして年次有給休暇を取った日です。

出勤したものとして扱う日扱い内容出勤扱い業務上の負傷・疾病の療養出勤扱い産前産後の休業出勤扱い育児休業・介護休業出勤扱い年次有給休暇を取った日
出勤率を数えるときに、出勤扱いになる5つを並べた表

有給を取った日が出勤扱いになる点は見落としやすいところです。有給を多く取った年に出勤率が下がって次の付与が止まる、ということは起きません。

欠勤が多くて8割に届かなかった年は、その年の付与はありません。ただし勤続年数の計算は続くので、翌年に条件を満たせば、その年数に応じた日数が発生します。

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実際に使える様式が必要な方へ

年次有給休暇管理簿のExcelの様式が、点検板のテンプレートのページにあります。この記事は日数の側の話です。

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基準日をそろえるかどうか

入社日がばらばらだと、付与の日も人ごとに変わります。管理の手間を減らすために、基準日をそろえる方法が取られることがあります。

たとえば、全員の付与日を4月1日にそろえる形です。この場合、法定の日より前倒しで与えることになります。後ろ倒しにはできません。

基準日をそろえるかどうか入社日のまま付与が人ごとにばらつく日数の負担は増えない採用が年に数人なら回る基準日をそろえる管理簿が1本になる前倒しで付与する毎月採用がある会社向き
入社日ごとに付与する形と、基準日をそろえる形の違いを並べた比較の図

そろえると、管理簿が作りやすくなり、時季指定の管理も1本になります。一方で、入社直後の人に早く付与することになるため、日数の負担は増えます。

どちらを取るかは、人数と入社の時期のばらつきで決まります。毎月のように採用がある会社はそろえたほうが楽で、採用が年に数人なら入社日のままでも回ります。

繰り越しと時効

使わなかった有給は、翌年に繰り越せます。時効は2年とされているため、発生した年と翌年の2年分までが残る形になります。

繰り越し分と新しく発生した分のどちらから使うかは、法令で定められているわけではありません。就業規則で決めておく形が一般的です。繰り越し分から先に使うと決めておくほうが、消滅する日数が減ります。

管理簿には、発生した日数・使った日数・残りの日数の3つが並ぶ形にします。残りだけを書いていると、いつ消えるのかが分かりません。

年度末に一斉に消える形にすると、駆け込みの取得が集まります。残日数と有効期限を毎月本人に見せている会社では、この偏りが小さくなります。

半日と時間単位

有給は1日単位が原則ですが、運用として半日単位で与えている会社があります。半日単位は、労使の合意があれば取れる形とされています。

時間単位については、労使協定を結べば年5日を限度に与えられるとされています。協定で、対象になる労働者の範囲、日数、1日の時間数などを定めます。

管理簿では、時間単位で取った分をどう数えるかを決めておきます。日数と時間を混ぜて書くと、残りが分からなくなります。日数の列と時間の列を分けるか、すべて時間に換算して持つかのどちらかにします。

半日や時間単位で取った分も、年5日の時季指定の対象になるかどうかは扱いが分かれます。時間単位のものは年5日には含めない形とされているため、管理簿では区別が付くようにしておきます。

日数を出す手順

自社の全員について日数を出すなら、順番を決めると早く終わります。

1つ目は、週の所定労働日数と所定労働時間を名簿に入れることです。ここが空だと、どの表を使うかが決まりません。

2つ目は、入社日から基準日を出すことです。入社日のままでいくなら6か月後、そこから1年ごとです。

3つ目は、勤続年数から日数を引くことです。表と突き合わせるだけです。

4つ目は、出勤率を確かめることです。8割に届いていない人がいないかを見ます。

この4つを、労働者名簿と出勤簿から出せる形にしておくと、毎年同じ作業でくり返せます。名簿に週の日数の列が無い会社が多いので、そこから足します。

途中入社と途中退職の扱い

年の途中で入った人、途中で辞めた人の扱いは、日割りにはなりません。付与は基準日に丸ごと起こります。

6か月を迎えた人には、その日に10日が発生します。その1か月後に辞めたとしても、発生した日数が減るわけではありません。退職の日までに使う形になります。

逆に、6か月に1日でも足りずに辞めた人には、有給は発生していません。在籍した期間ではなく、基準日を迎えたかどうかで決まります。

基準日を迎えたかどうかで決まる入社ここでは発生しない6か月10日が丸ごと発1年6か月11日が発生退職日割りにはならない在籍した期間ではなく、基準日を迎えたかどうかで決まる
基準日を迎えたかどうかで発生が決まることを示した時系列の図

この形なので、採用のときに入社日を正確に記録しておくことが効いてきます。労働者名簿の入社日が実態とずれていると、基準日もずれます。試用期間も勤続年数に入るのが一般的な扱いです。

休職していた期間の扱いは、就業規則の定め方によって分かれます。勤続年数に入れるかどうかを決めていない会社が多いので、一度決めて書いておきます。

まとめ

有給休暇の付与日数は、雇入れから6か月・出勤率8割・週の所定労働日数の3つで決まります。正社員かパートかという区分で決まるものではありません。

週5日以上または週30時間以上の人は、6か月で10日から始まり、6年6か月以上で20日になります。週4日以下で30時間未満の人は、日数に比例した表になります。

出勤率を数えるとき、有給を取った日は出勤扱いです。産前産後の休業や育児休業なども出勤扱いとされています。

繰り越しの時効は2年です。管理簿には、発生・使用・残りの3つを並べます。自社の制度で判断に迷う点は、所轄の労働基準監督署か社会保険労務士に確かめるのが確実です。

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実際に使える様式が必要な方へ

年次有給休暇管理簿のExcelの様式が、点検板のテンプレートのページにあります。発生・使用・残りの列が入っている形です。

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よくある質問

Q. 入社してすぐに有給を与えてもよいですか。 A. 法定より前倒しで与えることはできます。入社日に何日か付与する形を取っている会社もあります。ただし、前倒しした場合は次の付与の時期も早まるため、管理簿の基準日をどう置くかを決めておきます。

Q. 週の所定労働日数が途中で変わった人はどうなりますか。 A. 付与の時点の所定労働日数で日数を決める形が一般的です。付与のあとに日数が変わっても、その年に発生した日数は変わりません。次の付与のときに新しい日数で見ます。

Q. 有給の取得を会社が拒めますか。 A. 労働者が請求した時季に与えるのが原則です。事業の正常な運営を妨げる場合に限って、時季を変更できる形が定められています。人手が足りないというだけでは理由になりにくいとされているため、運用は慎重に決めます。

Q. 有給を買い上げてもよいですか。 A. 法定の日数について買い上げを約束し、取得させない形は取れないとされています。時効で消える分や、法定を超えて与えている分については扱いが分かれます。判断に迷う場合は専門家に確かめます。

Q. 退職するときに残っている有給はどうなりますか。 A. 退職の日までに取得する形になります。引き継ぎとの調整が必要になるため、退職の申し出を受けた時点で残日数を本人に伝えておくと、日程を組みやすくなります。

Q. 管理簿は何年保存しますか。 A. 年次有給休暇管理簿は、対象の期間が終わってから3年間保存することとされています。賃金台帳や出勤簿と同じつづりに入れている会社もありますが、年数を表紙に書いておくと間違えません。

Q. アルバイトが多い会社では、全員分を作る必要がありますか。 A. 有給が発生する人については作ります。短期で辞める人が多い場合でも、6か月を超えて働く人が出れば対象になります。採用の段階で週の日数を名簿に入れておくと、後から追わずに済みます。

Q. 出勤率が8割に届かなかった人には、翌年も付与されませんか。 A. その年の付与はありませんが、勤続年数の計算は続きます。翌年に8割を満たせば、その時点の勤続年数に応じた日数が発生します。前の年の分が復活するわけではありません。

Q. 週の所定労働日数が決まっていないシフト制の人はどうしますか。 A. 所定労働日数が定まっていない場合は、過去の実績から日数を見る形が案内されています。直近の期間の出勤の実績をもとに週あたりの日数を出し、その行の表を使います。扱いを決めたら、就業規則か社内の取り決めに書いておきます。

Q. 基準日をそろえた場合、最初の年の日数はどうなりますか。 A. 法定の基準日より前に付与することになるため、前倒しの分も含めて与える形になります。前倒しした結果、1年目に2回の付与が起こることもあります。管理簿の作り方を先に決めてから移行します。

Q. 有給の残日数を給与明細に出してもよいですか。 A. 出している会社は多くあります。本人が残りを把握できると、計画的に取りやすくなります。明細に出すのが難しい場合は、管理簿の写しを年に1回渡す形もあります。

Q. 付与日数を就業規則より多くしてもよいですか。 A. 法定を上回る日数を与えることはできます。ただし、法定を超える部分と法定の部分で扱いが分かれる場面があるため、就業規則でどこまでが法定でどこからが上乗せかを分けて書いておくと、後の判断が楽になります。

Q. 管理簿は紙とデータのどちらがよいですか。 A. どちらでもかまいません。人数が増えるほど、残日数と期限の計算が要るのでデータのほうが速くなります。3年保存できること、いつでも出せることを確かめておきます。

Q. 有給の取得率は、どう出しますか。 A. その年に付与された日数に対して、取得した日数の割合で出すのが一般的です。繰り越し分を含めるかどうかで数字が変わるため、社内で数え方を1つに決めておきます。部署ごとに出すと、偏りが見えます。